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夏はペッカで怖い話をしましょう

2015年08月04日

「タカハのマビノギ成長記」のタカハ様主催の「第3回 怖い話イベント」が8月8日に開催されます。
元々私はユーザーイベントを「知らない人がいっぱいいるから」というしょうもない理由で苦手としているのですが、無類のオカルト好きとして前回からこのイベントには参加したいと思っていたので、今年こそは……と考えています。



●日時:8月8日 22:00~
●場所:タルラークサーバー 2ch ペッカダンジョン1Fの最初の部屋
●落とすもの:木の実1個




日程的に兄さんが加入しているギルドのイベントとモロ被りしているので短時間の参加となってしまうかもしれませんが、会場でお会いしましたらよろしくお願いします。















さて、ここからは完全に蛇足になるので読まなくても大丈夫です。
怖い話イベントということで「私も何か創作してみたいな」と思い、小話として書いてみたはいいのですが……。





※最初に謝ります。申し訳ございません。ホラーのつもりで書いていたはずなのに気付いたらわけのわからない話になっちゃいました
※矛盾が多々含まれると思いますが笑って許してください
※直接的な表現はありませんが、病んでるっぽい兄さんが鈴を食べる(物理的に)話なので苦手な方は気をつけてください
※案の定ホモい描写があるのでそっちも気をつけてください
※こんなのをイベント告知と同じ記事にして苦情がきたらどうしよう






人の絆は永遠ではない。
互いに愛を囁き、手を繋ぎ、永遠を誓い、自らが世界一幸せな人間であると信じて疑わない。そんな仲睦まじきカップルが翌日にはくだらない諍いで仲違いをし、今生の別れを遂げるというのは案外珍しい光景ではない。
それは俺たちにも言えることだ。

すぐ横に揺れる黒髪を見る。
水鏡鈴音。最愛の恋人。俺と並んでソファに腰掛け、今は愛用の弓を手入れしている。
作業に夢中になっているらしく、視線を一心に手元の弓に注いでいる。そのことに一抹の嫉妬を覚えた。
その目を俺だけに向けてほしい、俺のことだけを考えてほしい、俺だけに笑いかけてほしい。そう思うのは我儘だろうか。
自分の思う以上に、俺の心は鈴に絆されているのだろう。感情の赴くまま、俺は鈴を抱きしめた。
突然のことに驚いたようで、細身の身体が小さく跳ねた。大事そうにしていた弓も床に取り落としてしまった。その光景に若干の優越感を覚えたのは少々子供っぽいかと自嘲する。

「……ナツメさん?どうしたんですか」

戸惑うように、控えめの声で問いかけられる。
困ったように笑うその表情もまた可愛い。
今では俺の生活のすべては鈴にあると言っても過言ではない。もしも突然鈴を失うことになるとしたら、それは地獄に堕ち業火に焼かれる以上の苦痛だろう。想像するだけで恐怖に苛まれる。

「……っ、ナツメさん……」

無意識のうちに腕に力が入ってしまっていたらしい。苦しげに呻く声を聞いて、俺はようやく我に返った。

「す、すまない。苦しかったか」
「い、いえ……。……ナツメさん、もしかして何か悩んでいるんですか?なんだか今のナツメさん、そんな顔しています」

心の底から心配している、そんな顔をしていた。
その優しさがじんわりと心に沁みるようだった。

改めて確証した。
鈴は何に変えても失いたくはない。
やはりこのままではいけない。
何か2人の間に傷害の入る余地のある、このままの状態では決して良くない。
一生涯離れることのない、強い繋がりが欲しい……。

一つの考えが頭をよぎった。
とてつもなく非人道的で、反社会的であり、それでいてたまらなく甘美に満ちた考えが。
鈴を見た。不思議そうな顔をしてこちらを見ている。
その顔を見て、俺は決意を固めた。
先ほど心に感じた暖かさは、いつの間にかどろどろと濁った黒い粘水のような感情に変わっていた。











「……はぁ?何言ってるの君」

目の前で話す兄さんに、私は自分でも分かるほど不快感たっぷりの視線を向けた。
内容全てが妄想が多分に含まれた御伽話のように聞こえた上に、兄さんはどこか遠くを見るような空虚な目をしていたからだ。
ぞっとするほど暗い眼差しを私に向けた兄さんは、さらにこう話し始めた。

「一寸先は闇と言うだろう、今は良い関係を築いていても明日にはもう離れてしまっているかもしれない、俺はそれが嫌だ、鈴と離れることは耐えられない、ならば今のうちに一つの肉体となって共に生きることが最善だと」
「バカバカしい」

矢継ぎ早に放たれる狂気を帯びた言葉に、ただ呆れる他なかった。

「口にする食品……っていうのもなんだけどさ、ほとんどが3日もあれば排泄されてしまうでしょ。そんな方法で繋ぎ止めたにしたってそんな短い期間しか持たないなら意味ないじゃない」
「しかし吸収された栄養は俺の血肉になる。それは一つになれるということだろう」
「人の細胞は常に入れ替わってるのよ。10年もすれば全身の細胞は新しいものに替わると言われている。兄さんの肉体の礎になるとはしても、生涯を共にできるとは……」

そこまで話して、私は一つのパラドックスを思い出した。
「テセウスの船」
一隻の船を古くなったパーツから取り替えていき、やがて全てのパーツを入れ替えたときでも、その船は元の船と同じ物と言えるのかという問題だ。

パーツを取り替える工程で一箇所にまったく別の異物を取り込んだとして、「テセウスの船」は、元の「テセウスの船」と同じものだろうか。
新しく鈴を取り込んだ兄さんは、私の知ってる「兄さん」だろうか?

少なくとも私は、目の前にいる兄さんが「兄さん」だという確証が持てないのだった。
顔と声はそのままに、新しい肉体、人格を持った誰か別の人物のような気がしてならないのだ。
もしかすると、今までこの男が話してたことは、妄言などではなく……。

そこまで考えて、私は頭を振った。
たった今抱いた疑念を吹き飛ばすように、強く。
もうやめよう。こんな非現実的な妄想。
風圧で乱れた髪を手櫛で整えながら、私は改めて兄さんに向き直った。

「……ごめん、なんか今の話聞いてて、変なこと考えちゃった。忘れて」
「いや、構わない」

声のトーンは私の良く知るものと一緒だった。
いつもの兄さん。いつもどおりだ。

「いや、こういうのわりとマジに考えちゃうタイプだから。恥ずかしいね。こんな人を食ったような話を……」

そこまで言った刹那、兄さんの目に一瞬影のようなものが差した。
途端にぐにゃりと兄さんの表情が歪んだ。
目を三日月のように細めて、口元も同じように、切れるように鋭く尖っている。
嬉しそうでもあり、蔑むように、ニヤニヤと笑っている。
私の記憶の中の兄さんは、絶対にこのような顔をしないだろう。こんなギラついた目はしない、弱った獲物を前にした狼のような笑顔は浮かべない、鮮血のように赤い舌は覗かせない。
ああ、やっぱりこの人は。



「『人を食ったような話』ではない。『人を食った話』だ」


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コメント

おぉ!
なんと安定した文章力・・・!
私もこれくらい綺麗に小説が書ければ・・・グヌヌヌヌ

食べるって・・・食べるってあっちの意味を期待していたのに\(´д`;)/
最初の前置き含めてひとつの作品ですね・・・

ナツメ兄さんの妹(弟?)が!
あれ?
この子初登場ですよね!?(私が忘れてるわけで無ければ)

>こおしんさん

ありがとうございます!
文章力が未熟で語彙力も悲惨の一言なのでそう言ってもらえると嬉しいです。

元々ダーク寄りの作品が好きなので気付かないうちに食べる(物理)になってしまいました…。
いろいろな意味で閲覧注意な内容なので前置きの注意書きは必須かと。
いつかは別の意味で食べている話が書きたいですね。(ゲス顔)

後半のほうで出ている子のことなら、それはメインちゃんです…。
自分で読み返したらたしかに妹か何かに見えますね…!

(゚д゚)ハッ
ダウンしていたら告知されてた・・・!
あざーっす!(`・ω・´)ゞビシッ

夏はイベントの嵐なので日程カブる人多いのよねぇ(´・ω・`)
どうぞ当日は旦那さまとご参加下さいっ(*ノ∀`*)

ブログ書く以外にもう文章は書けないかもしれないわ・・・
文才があるって素晴らしいよ!!

>タカハさん

たしかにこの時期はユーザーイベント多くなりますよね。
他にもこの日は演奏イベントも開催されてたそうですし……。イベンターさんは大変ですね。
あ、某蒼色はこの日土曜出勤だったのであえなく不参加となってしまいましたァ!

小説はたまに発想が浮かんだときだけでも書いてみると気分転換にもなりますよ!
楽しいゾ~これ。(あからさまな勧誘)

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斧塚咲季

Author:斧塚咲季
MMORPG「マビノギ」のルエリ→タルラークサーバー、MORPG「PHANTASY STAR ONLINE2」ship9を中心に活動するマイキャラたちのフリーダム日記帳。

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