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【小話】初恋一歩手前

2016年09月01日

onozukasstudent.png

今回の記事は2年前に参加させていただいたトラックバック企画「ブロガーズ学園」の設定を使った小説風小話です。
参加時の記事はこちらですが、こんな昔の記事もう覚えてないし読むのも面倒くさいわよという方のために簡単に設定をまとめた画像を作りました。企画参加時と衣装が違うやつがいますが気にしないでください。

女子2人がメインの話で、直接的な表現は無いものの少々百合っぽい雰囲気が漂っているため苦手な方はお気をつけください。(以前書いたホモっぽくも百合っぽくもない話はこちら
よろしければ下の「続きを読む」からどうぞ。



たしかに普段から自我を貫き続けている私にも問題はあるだろう。
でもこの仕打ちはあんまりなのではないか。

現在時刻は16時45分、アルバイト開始時刻は17時、バイト先のカブ港酒場は徒歩だと頑張ったところで20分以上はかかってしまう。
どう考えても詰んでいる状態だ。

「あの鬼委員長ー!!絶対一生恨んでやるー!!」

重箱の隅を突くような長ったらしいくどくどとしたお説教はもう思い出したくすらない。人生でたった3年しかない高校生活は楽しんでナンボだと言うのに、あの委員長は少々真面目すぎるのだ。
しかし呪詛を叫んだところで過ぎ去った時間は帰ってこない。
せめて少しでも早く到着できるよう走っていくことにした。滑り込みで間に合うかもしれないし、それが叶わなかったとしてもちょっとは努力しましたという姿勢を見せたほうが印象はいいはずだ。
足に力を込めて、一気に地面を蹴って駆け出そうとした、そのとき。

「……おーい!そこの子ー!」

背後から声がかかった。
こちとら急いでいるというのに。少しいらだちつつも振り返ると、視界に入ったのはグリーンのメタリックカラーが眩しいスクーター。そしてそれに乗る、長い緑の髪とその上に乗った真紅の花飾りが特徴的な見覚えのある先輩だった。
自分と同様、頻繁に鬼委員長に捕まっている狐の先輩と仲が良いらしく、度々一緒に話しているところを目撃したことがある。接点らしい接点といえばそれくらい、そもそも名前もクラスも知らないような間柄、それなのに何故この先輩が話しかけてきたのかいまいち合点がいかなかった

「何すか!?ちょっと今急いでいるんで……!」
「それそれ、そのこと」

返ってきたのは想定外の言葉だった。

「どうせあの鬼兄さんに捕まってたんでしょ。送ってあげるから乗っていき」

説破詰まったこの状況でこの申し出。
ついさっきまで若干疎ましく思っていたこの先輩が脳内で一気に神格化された瞬間だった。


***


「よくナツノメ兄さんにどやされてるでしょ。鈴……あの狐野郎ね、からよく聞いてるよ」

本来1人用であるらしいスクーターに、私たちは無理矢理な2人乗りで跨っていた。
シートのスペースがないから申し訳ないけど、と私はスクーター後方の荷物置きに乗った先輩の鞄の更に上に座らせてもらっている。さすがに悪いと思ったが、潰れても困らないものしか入ってないし、小柄だし体重も軽いだろうからということで御厚意に甘えさせてもらった。

「あのお兄さん、普段は冷静クールなだけにぶちキレると怖いからねー。黙ってりゃただのイケメンなんだけど」
「おかげさまでこっちは遅刻寸前っすよ……」
「あはは、あの人頭固い上に話なげーから。……急ぎでしょ、飛ばすからしっかり掴まってて」

え、と聞き返す間もなく先輩は一気にスクーターのエンジンをふかした。みるみるうちにスピードが上がり、あやうくバランスを崩しそうになってしまう。自然に先輩の腰に強くしがみつく形になった。
周りの景色が飛ぶように過ぎていく。顔に強く当たる風が、ふわりと何か甘い匂いを運んできた。

「(……これ、かな?)」

視界に入った緑の束で気が付いた。
しがみつき密着したことで先輩の長い髪に、漂うシャンプーの香りに包まれるような状態になっていたのだ。蜂蜜に似たとろけるような香りと、手入れの行き届いた髪につい心奪われてしまう。
腰にまで届きそうなロングヘアにも関わらず、毛先まで滑らかに輝いていた。きっと時間をかけてケアしているのであろう。適当に洗って自然乾燥に任せるだけで、好き放題に痛んでいる自分の髪とは大違いだ。

「(こんな男らしいことする人なのに)」

ギャップがなんだか意外で、思わず目を閉じた。
頬に当たる風と先輩の体温が、不思議と心地良くて堪らなかった。


***


「はい、到着!無茶な運転でごめんね」
「い、いえ、助かりました。本当にありがとうございます!」
「いいって。それより時間大丈夫そう?」

あっと確認した携帯電話の時計は定刻3分前。
お詫びに何か……と思ったが、そんな余裕すら無さそうだ。

「あの、ありがとうございました!すみません、ろくにお礼もできなくて……!」

この恩は明日にでも必ず!と背中に叫びながら走ってその場を後にした。
カブ港の風が通り抜けた。さっき感じていたのとはまるで違うしょっぱい潮の香りがする。
あの蜂蜜の匂いを思い出すとなんだか胸の奥がむずがゆくなりそうで、肺いっぱいに潮風を吸い込んだ。

「あ!!名前とクラス!!」

はっと思い出して振り返った先には、もうあの緑色は見えなかった。


***


「だから!!あの緑の先輩っすよ!!知ってるっすよね!?」
「情報が漠然としすぎだろ!大体何なんだ藪から棒に!服装を整えて出直してこい!」
「今はそんなこと問題じゃないんすよ!じゃああの人!狐の先輩!」
「狐?……ああ、もしかして水鏡のことか」
「そう!多分その人っす!で!!その先輩と!!仲が良い先輩なんすけど!!」
「分かるか!!」

「……朝っぱらからどうしたんですかね」
「あ、あれ?あの子、兄さんに絡んでる子、昨日の子じゃん」
「何かあったんですか?」
「ちょっとねー、何か気になる子だったから。せっかくだから挨拶しちゃおうかな、あの後大丈夫だったかも知りたいし」
「え?あの中に行くんですか?僕はちょっと遠慮したいなって」
「おーい!ナツノメ兄さーん!!」
「ちょ、僕は……って引きずらないでくださいよー!」
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Author:斧塚咲季
MMORPG「マビノギ」のルエリ→タルラークサーバー、MORPG「PHANTASY STAR ONLINE2」ship9を中心に活動するマイキャラたちのフリーダム日記帳。

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